ティックトックを始めたばかりだと、あまり再生数も増えず、いいねやコメントも少ない状態が普通です。そんな中でいいねやコメントがあると嬉しくありませんか?
しかし、そのいいねとコメントをよく見ると、何か違和感があることに気付く人も多いでしょう。もしもBOTやサクラによるいいね、コメントだとしたら悲しいですよね。
そこで今回は、実際にティックトックを使ってきた筆者がBOTやサクラの実態を調査してみました。ティックトックのリアルな部分を覗いてみましょう。
もくじ
ティックトックの「BOT」とは?
「BOT」とはロボット(robot)のことですが、インターネット上やSNSで使うときには自動的に「いいね!」やコメントなどのタスクを行うシステムのことを意味します。
人の手で直接いいね周りをするよりも高速でできるため、SNSマーケティングをしている会社などではBOTサービスを導入していることもよくあります。
実はティックトックにもこうした「BOT」を使って、投稿に対して「いいね!」をしているユーザーもいるのです。
いいねBOTの実態
筆者も実際にティックトックで撮影して、動画をいくつかアップロードしてみました。すると登録したばかりの筆者の動画に対してもいいねが付いたのです。
こちらが筆者の通知一覧ですが、何か違和感がありませんか?よく見ると、ほとんどのアカウントのIDが12ケタの数字の羅列になっているのです。
ティックトックのIDは後から好きな文字列に変更できるため、自分の名前やニックネームに誕生日などの数字をくっつけたものを登録しているユーザーが多いです。
しかし筆者の動画にいいねしたユーザーは、みんな口裏を合わせたかのように、ただの数字…。そう、これがティックトックにはびこる「いいねBOT」の正体です。
また中には一般ユーザーと見分けの付かない、ローマ字と数字を組み合わせたIDのBOTもいます。しかしその場合も、名前としても読めず、意味のない文字の並びになっているのですぐわかるでしょう。
BOTかどうかはIDとフォロー/フォロワーでわかる!
自分の投稿に対していいねをした人がBOTかどうかを調べるには、その人のプロフィールに飛んでIDとフォロー/フォロワーを確認してみましょう。
IDが数字だけだったり、不自然な文字の並びになっているときはまず怪しいと思って良いでしょう。
そして次に、フォローとフォロワー一覧も確認します。フォロー/フォロワーのIDも数字12ケタばかりになっていたら、そのユーザーは確実にBOTアカウントだということ。
面白いことに、そのユーザーがBOTなら、フォローやフォロワーもBOTばかりで固められているんですね。
逆に一般ユーザーのフォローとフォロワーを確認してみると、数字だけのIDもチラホラ見かけますが、ほとんどがきちんとローマ字と数字の組み合わせになっています。
怪しいと思ったらまずID、次にフォローとフォロワーを確認するといいでしょう。
12ケタの数字は初期IDではない!
ここで疑問に思うのは「12ケタの数字のIDはティックトックに登録したときの初期IDで、IDを変えてないだけじゃないの?」ということ。
しかし実際にティックトックに登録してみると、ユーザーIDの部分は「user+数字」に初期設定されます。そう考えても、12ケタの数字のIDはやはり不自然なのです。
ティックトックの「サクラ」とは?
「サクラ」とはいわゆる「ニセ客」とか「おとり」という意味です。他のユーザーや観客の中に紛れ込み、盛り上がった雰囲気や売れ行きの良い雰囲気を作ったりする人のことを言います。
例えば出会い系サイトで会員の男性に思わせぶりなコメントするお姉さんの正体は、実はサクラで男の人だった…という話はよく聞きますね。
ティックトックにもこのサクラユーザーがいて、普通のユーザーの気持ちを盛り上げさせているのです。
サクラコメントの実態
筆者の投稿に対しても、いくつかコメントが来ました。しかしいいねBOT同様、コメントにも違和感が…。
コメントの内容はわりと普通なのですが、コメントした人のIDがまた12ケタの数字になっていますし、写真にも違和感があります。
10個以上動画を投稿していますが、ついたコメントのうち9割くらいは不自然なものばかりでした。
コメント通知が来ると嬉しい反面、サクラだと勘付いたときは心底がっかりしました…。
サクラかどうかはプロフィールをチェック!
コメント内容は普通なので、コメントの文章だけでサクラと判断することはできません。そのためサクラかどうかを調べるには、その人のプロフィールをチェックするのが一番です。
このユーザーは筆者の投稿に日本語のコメントをした人ですが、プロフィールを見てみると、写真や名前がどう見ても外国人でした。しかも、ティックトックをやらなさそうな年配のおじさんです。
他のサクラと思しきユーザーも、日本語コメントをしているのに外国人だったり、または風景の写真だけどプロフィール文には何も書かれていなかったり、投稿数がゼロだったりとプロフィールが空っぽです。
BOTの判断と同様にフォローやフォロワー一覧も確認しましたが、やはりプロフィールが空っぽのアカウントばかりが並んでいました。
プロフィールから違和感が溢れてくるようなアカウントであれば、BOTもしくはサクラだと判断して良いでしょう。
出会い厨に注意!ティックトックのDMには年齢制限も
BOTやサクラとはまた違いますが、ティックトックの中には可愛い女の子に「会おうよ」「付き合おう」という内容のDMを送る“出会い厨”も少なからずいます。
やはり顔が見れるSNSなので、こうした出会い厨がはびこるのも仕方ないのかもしれません。
そこでティックトックは、安全性向上の対策として2020年からDM(ダイレクトメッセージ)機能に年齢制限を付けました。現在は16歳以下のユーザーはDMが使えなくなっています。
16歳以上でDMが使えるユーザーでも、出会い厨からのDMには注意しましょう!
批判が相次いだティックトック
ティックトックを始めて早々、BOTやサクラの存在に気付いた人も多いかもしれません。
せっかく付いたいいねやコメントがニセモノだったら悲しいのは誰でも同じで、ティックトックは日本で流行した当初は批判も相次ぎました。
実はここで取り上げたBOTやサクラの正体は、ティックトックの運営側(中国のBytedance社)の社員なんだとか。
ティックトックを始めたばかりだとまったくいいねやコメントが来ず、つまらないですよね。そうなるとティックトックを続けてくれるユーザーが減ります。
そこで運営側は「BOTやサクラを使って盛り上げてやろう」と考えたわけです。
「なくなる」「終わる」「廃止される」という噂も
もちろん突飛もないその発想から「うざい」「つまらない」という批判が来ました。
さらにBytedance社は2019年に「13歳未満の子どもの個人情報を保護者の了承なしに収集している」とアメリカの連邦取引委員会(FTC)から指摘され、さらに炎上。
そのニュースが日本で報道されると「そのうちティックトックは終わる」「近いうちに廃止されるだろう」という噂も広がりました。
噂は次第に現実味を帯びてきたのか「ティックトックがなくなる!」というデマ情報まで流れる事態に。
しかしティックトック側は、日本の公式ツイッターで「ティックトックが終了することはありません」と弁解しています。
一時期「なくなる」と噂されていたティックトックでも、2019年2月時点のユーザー数は国内で950万人、世界では2020年1月時点で8億人もいて、年々成長しています。
まだまだティックトックがなくなる未来は来ないようです。
マイペースにティックトックを楽しもう!
せっかく来たいいねがBOTからだったり、コメントがいかにもサクラだったりと、ティックトックではぬか喜びすることが多いかもしれません。
しかしティックトックの楽しさはいいねやコメント数ではなく、手軽に動画を撮影し、面白く編集し、投稿できること。
完成した動画を見るとなかなかの出来栄えにニヤつくこともあるでしょう。誰かに見て欲しいなら、家族や友達にシェアして直接感想をもらえばいいのです。
BOTやサクラを気にせず、マイペースにティックトックを楽しんでくださいね!